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2006年12月18日 (月)

前田青邨

芸術 と一口に言うが、一体どんなものが、その範疇にはいるの

だろうか?音楽・絵画・彫刻・工芸・文学・・まあ一般的なものだ。

「芸術的」となると、一寸違ってくるかもしれない。

サッカーの話である。嘗て、ポルトガルの至宝のフォワードで

「モザンビークの黒豹」といわれたエウゼビオ。もう、引退してか

らのことだが、日本で試合をしたことがある。そのとき、ボール

を受けた彼は、ゴール前に立ち並ぶ日本守選手を前にして

「ポーン」という感じでボールを蹴り上げた。ボールは、ふんわ

りと浮き上がり、ゆったりと弧を描いて、懸命にジャンプする

日本守備陣の頭上を、まるで飛行船のごとくに跳び越して、

ゴールに吸い込まれた。素人の愚生が見ても、唖然とするよう

なシュートだった。アナウンサーは、声もでなかった。解説の

岡野俊一郎が唸った。「ウーン、エウゼビオの芸術がでました

ねえ・・・・」。                     以上・枕

その 芸術 の話である。

音楽などと同様に、絵画にも、あまたの巨匠・名人が存在し、

存在した。大きく洋画と日本画に分け、その日本画のなかでも

数限りない画家の名を上げることができよう。

水墨画といえば雪舟。しかし、古今の水墨画で一番の人気は

雪舟のものではない。「松林図」がソレで 長谷川等伯。

また、日本画の歴史を支えた狩野派の諸画人。土佐光起を

祖とする大和絵の諸派の人々。南画という分野もある。

近代になれば、名作「慈母観音」の橋本雅邦を忘れてはなら

ないだろうし、川合玉堂・菱田春草も。そして、横山大観も

ひとつの巨峰であろう。過日、重文「粛湘八景」をみたが

さすが だと思った。以前、「生々流転」「無我」そして各種の

「富岳」を見てきたが、八景はナルホド!と思う。大観といえ

ば富岳だろうが、決してソウではない。彼の、本当の姿は

他にあると考える。また、東山魁夷もわすれてはならない。

過日、浜松市美術館の前田青邨展に行った。青邨は、以前

10年位前、名古屋市美術館の展覧会に行ったことがあり、

2度目となるが、久しぶりの対面であり、感動を新たにした。

正直なところ、日本画の古今を通じての第一人者は、彼

前田青邨だとおもっている。理由は、上手く表現できない。

ただ、「絵」をみれば わかる。

例えば、人物画を考えてみよう。梅原龍三郎を例に取る。

著名人として、高峰秀子などを描いているが、しかし、

この絵を見ても、誰も、彼女とは思わないだろう。そりゃあ

絵画としては完成度の高い、立派な芸術品だろうが、一般

的な肖像画としては如何なものだろうか?

青邨の肖像画を見てみよう。杢堂先生、耳庵像、白河楽翁公

郷里の先覚など、簡潔にして研ぎ澄まされた線のするどさ、

人物観察のたしかさ・・・・対象者の性格はもとより、その人生

まで窺えるような見事さである。梅原を非難するのではないが

格調が違うとしか言いようがない。

以下、愚生の駄作。

「洞窟の頼朝」

 頼朝は 団十郎に さも似たり 青邨展の 中心にあり

 頼朝は 団十郎に さも似たり 前田青邨 渾身の作

「白河楽翁公」

 凛として 孤高の古武士 ここに在り 澄みたる眼 物に動ぜず

「杢堂先生」

 杢堂は いかなる人か しらねども あふれる慈愛 心温もる

「郷里の先覚」

 先覚は 志村喬に 相似たり 豊かな年輪 刻まれし顔

 悠揚と 迫らぬ気力 内に秘め 郷里の先覚 気品あふれる

「耳庵像」

 電力の鬼 と謂れし 耳庵なり 澄んだ眼は 総てを見透す

「修羅道」

 宗達に 匹敵するや ユーモア精神 天空かける 鬼神修羅道

「知盛幻生」

 無念やな 海の藻屑と 消え去りぬ 盛者必衰 知盛幻生

 怒る目は 彼方の敵を 射通さん 平知盛 怨念の海

 湧きてたつ しぶきの中に 亡者たつ 怒り悲しみ 天も動ぜん

 知盛の 睨む彼方は 鎌倉か 盛者必衰 時の流れか

 おおいなる 時の流れに 抗してむ 平知盛 無念の形相               

  

前田青邨

 明治18年(1885)岐阜県中津川に生まれる。

 昭和52年(1977)92歳にて死去。 鎌倉・東慶寺に眠る。

                      合唱・・・・ン?・・・いや、合掌

    

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コメント

日本画といえば、鎌倉に東山魁夷の美術館があるよ。
こないだ行ってみたけど、期間ごとにテーマを決めてそのテーマに沿った絵が展示してあって、
所蔵しているすべての絵が見られるわけではないみたい。
リピータ狙いなのかな。

投稿: 絵ごころのない息子 | 2006年12月19日 (火) 14時46分

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